あらすじ(ネタバレあり)
アメリカ人女性イザベル・アーチャーはヨーロッパへ渡り、その知性と個性が評判になる。金持ちの従兄弟ラルフから莫大な遺産を相続し、「自由に人生を選べる女性」になる。
複数の求婚者の中からイザベルが選んだのは、フィレンツェの貧しい美術蒐集家ギルバート・オズモンドだった。ラルフは「オズモンドは空虚な男だ」と警告するが、イザベルは「自分の判断を信じる」と結婚する。
結婚後、オズモンドはイザベルの自由な精神を「矯正」しようとする。社交を制限し、意見を否定し、生活を支配していく。彼がイザベルに求婚したのは彼女の遺産と彼女を所有する快感のためだったと分かる。さらにオズモンドの旧恋人マダム・メルルがこの結婚を裏で仕組んだことも判明(マダム・メルルとオズモンドの間の隠し子がオズモンドの名目上の娘パンジー)。
大切な友人ラルフが臨終のときイギリスへ行き、帰ってきたイザベルはオズモンドの屋敷へ戻る。なぜ戻るのか明示されないが、パンジーのため、あるいはした選択の責任として受け入れると解釈される。
読みどころ
- 「自由意志による選択が不自由を生む」という逆説
- ヘンリー・ジェイムズの心理描写の細やかさ
- イザベルが最後に戻る理由を読者に問い続ける開かれた結末